カナダで暮らすということ
単純に、カッコイイなと思っていました。
まさか、ガンになっていたなんて。
日本で暮らしていると、
普通に暮らしているだけでモヤモヤすることが多くて
いつも頭のどこかに「日本脱出」という想いがあるんです。
オーストラリア、マレーシア…やっぱりカナダ。
ぼやぁっと考えていたのですが、この本に出てくるもろもろ
高騰する家賃、
気候変動による自然災害、
病気になったときの医療体制
なるほど、これはかなりハードやわ。
特に、日本と違い過ぎるくらいちがう、医療施設の情報伝達の悪さとか。
店員さんやどこかのスタッフの、態度とか。
「謝らない」という文化?
ないわ。
日本のきらいなところ
モヤモヤすることは、数えきれないくらい。
子どものときから、生きづらくて。
同町圧力がスゴイ ちょっとでも、周りと違うことをすると、叩かれる。空気を読んで行動することを強要されている感じがすごい
過酷過ぎる競争社会 ちょっとでも優位に立ちたくて…小さいときから追い立てられて、追いつめられて。それがとにかくしんどい
そして、一度上位ステージからこぼれ落ちると、もう二度と這い上がれない(気がする)
性に対するリテラシーの低さ これ、最近ものすごく感じています。昔から、性暴力、性に対する認知の歪みがすごくて、
それが怖くて生きていくことが辛かった…だから、子どもたちが心配で。
最近、ようやくこういうったことを問題視する記事や発信を見ることが多くなり、自分が漠然と感じていた不安が、
具体的に認識できるようになってきたところ。
ものすごく、くだらないことにはネチネチこだわるくせに、
大事なことに関しては、「それくらい、いいやん」でスルーするところ。
それに反論すると、「面倒くさい人」って言われるし。
羨ましいけれど…現実は
「街や、電車の中に、不必要な性的情報が入ってこない」というところ
これが、本当に羨ましい。
性産業大国。日本で、子どもたちをどうやって守るか、が私の人生の課題だから。
残念なことに、夫の協力は期待してないんです。
家族でも、考え方は人それぞれで。
彼は、昭和の感覚のまま生きているから。
それを変えることは出来ないし、自覚することを待つ気もないし。というのが、私の結論で。
西加奈子さんが、本当に強くて、ガンである事実を冷静に受け止めているところはすごい。
そして、それでも上手く行かない現実があり、とうとう心が折れて号泣してしまうところとか。
病気になったというだけでも理不尽なのに、
酷すぎる…
やっぱり、日本で治療した方が良かったのではないかなぁ。
そう思えるところもたくさんありますが、
子どもを日本で育てたくない?
ハッキリと書かれているわけではないですが、
うっすら感じるその気持ちが、よく解るから。
そこは、やっぱり羨ましいと思ってしまう。
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闘病の話だけではなく、
色々なことを考えることができる。
しんどいところも多いけれど、読んで良かった本です。