これが 一番好きだったお話
「キッチン」に収録されているお話。
これを初めて読んだのは、たぶん高校生のとき。
こんな、キラキラした思い出も、
胸が苦しくなるような恋愛も、
なーーーーんにもなかった、私。
それも含めて、懐かしく読みました。
そして、びっくりしたことに、
自分の中に残っているんです、文中のフレーズとか、主人公のセリフとか
「そうそう、このセリフ、この小説だったのね」
とにかく、この世界観が好きで、
憧れて
早朝ジョギングとか、
彼の弟との関係とか、
彼のことを、哀しく思い出すところとか、
…憧れでしかない。
どこを読んでも、哀しいお話
恋人が亡くなっているところから始まるから。
初めから最後まで、とっても哀しいお話なのですが、
高校生の頃は、ほぼ、意味が解らずに読んでいた気がする。
その後、多分社会人になってもう一度読んだけど、
憧れでしかなくて、あまり深刻に受け止めてなかったな。
今なら、こんな哀しい話、耐えられないやろうなって理解できます。
主人公のさつき
残された人たちが、それでも生きていかないといけなくて、辛すぎる。
けど、そこからどうやって前を向いて歩いていくのか
というところも、きちんと描かれていて、
だから、しんどいけど、何度も読めてしまう。
今しかない、この時間を
ニャン子とシャーP は、どんな10代を過ごすのでしょう。
私のように、「何にもなかったな」(←正確には、やたらと生きるのがしんどかった)
という残念なことには、なって欲しくないなぁ。
小説のように、劇的な時間はなくても、
自分の人生の主人公は自分だから、
自分らしく、日々を輝かせて欲しい。
環境とか、母もできることはサポートするで☆
好き過ぎて、ペーパーバックも持っていたけど、
これ、表紙のデザインがツボ過ぎて大好きやったのに、
捨ててしまいました。
もう、買えないのかな…勿体ない。
これも、持ってたよ。